MGB Buyer's Guide for Bigginers by Corkey.O
MGB初心者のためのバイヤーズガイド
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関連記事: The History of MGB |, The MG FAQ |, About MGB
MGB Tourer MGC,GT,V8 Other MGB




1. はじめに

     

 MGBは1962年以来18年に渡って約52万台が生産され、現在までMGスポーツ最多を保持している、もっともポピュラーなMGである。
 MGBはその誕生時からバランスの取れた「スポーツカー入門用教科書」だったが、これは現在でもいささかも変わることがない。それどころか生産が終了して20年が経過しようとしている現在では「ヒストリックカー入門用教科書」という新たな価値が付加されている。
 ユーノス/マツダ・ロードスター(MX5)という世界に誇る現代版入門用教科書が存在する日本ではあるが、このヒストリックカーとしての部分や英国車ならではの佇まいにひかれてMGを求める人は少なくない。
 しかし一口にMGBと言ってもその年式も車種も多岐に渡っている上に、最期のMGBが今はなきアビンドン工場のラインを離れてすでに長い時間が経過している。こうした点から最後の一線を踏み越えることを躊躇している人も少なくないのではないだろうか。
 この文が、生まれて初めて買う外国のヒストリック・スポーツカーとしてMGBを考えている人に対する助言の一つとして読んでいただけたら幸いである。

 


2. MGBモデル別概要
 MGBには大きく分けて2ボディ/9タイプ合計16バリエーションが存在する。詳しくは拙文「THE HISTORY OF MGB」をご参照いただきたいが、概略は以下の通りである(メーカーでの正式なマーク・ナンバー呼称は存在しないため、文中は俗称)。
Mk1:
1962〜1967
(GTは1965〜1967)
トゥアラー(G−HN3):115898台
GT(G−HD3) : 21835台
 最初のMGB。当初は3メイン・ベアリング・エンジンだったが、1964年10月より5メイン・ベアリング化される。またMGB/GTの市場投入は1965年10月からである。MGBシリーズの中では+アース/1速ノンシンクロなど、実用性という観点からは最も厳しい評価となり、基本的に中・上級者向けコレクターズ・アイテムと考えた方が良いだろう。
MK.2 Tourer&GT
1967〜1969 トゥアラー(G−HN4):12540台
GT(G−HD4) : 7242台
 BMC時代最期のMGBであり、外観/内装の意匠上はMk1とほとんど変わらないまま−アース/フルシンクロ化が施されているなど、機械製品としてのMGBの完成版。このモデルからボーグ&ワーナー製の3速オートマチックトランスミッションを搭載した車種もラインナップされるが、1973年までの生産期間を通じて台数は少ない。総じてMk2は実用性/趣味性のバランスは最も高いが、台数が少ないのが難点と言える。
 
Mk.3 Tourer&GT (LEYLAND GRILL) (FISH MOUSE,Recessed GRILL)
1969〜1972 トゥアラー(G−HN5):87290台
GT(G−HD5) :46645台
 1968年のBLMC設立により遅れた後継車種開発の時間を稼ぐべく行われたフェイスリフト・モデル。メカニズム関係はMk2と事実上変わりないが、フロントグリルがMGの伝統とは異なる意匠にされた他、エンジン・フードのスチール化/シート表皮のビニール化など、コスト・ダウンが目立つ。
 内装は毎年のように小変更を受け、最終的にはコンソールボックスやフェイス・レベルのフレッシュエア吹き出し口も装備される。
 タマ数はメッキバンパー・モデルの中では多いが、決して好評とは言えないフロントグリルをMk1/2のものに交換したものが多い。なお1969〜1970年の対米仕様車に限ってリアバンパーが2分割化されているので注意が必要である。
Mk.3
Tourer&GT
(BLACK MESH GRILL) (Honeycomb grille)
1972〜1974 トゥアラー(G−HN5):42580台
GT(G−HD5) :22515台
 不評だったフロントグリルをMk1/2時代の意匠を基本としたものに変更した、MGB最期のメッキバンパー・モデル。この点を除くとLGの72年モデルとはドア・アームレストの追加とワイパーの黒色化程度しか違いはない。ただし日本仕様は1973年暮〜1974年にかけて、排気ガス規制対応に付随して左ハンドルのカリフォルニア仕様がベースとなり、衝撃吸収機能付大型オーバーライダー(通称「サブリナ・バンパー」)/前後ホイールハウスのリップ式オーバーフェンダーが装着される。
Mk.3 UB1 Tourer&GT (URETHANE BUMPER EARY)
(Rubber Bumper Eary)
1974〜1976 トゥアラー(G−HN5):19274台
GT(G−HD5) : 5911台
 アメリカで施行された新安全規制に対応するために、前後に衝撃吸収機能を持つ黒色ポリウレタン製バンパーを装着されたモデルである。メカニズム的にはBMと何ら変わるところはなく、前後重量の増加と車高の3cm増加によって運動性能は全MGBシリーズ中最低と言わざるを得ない。最初からメッキバンパーへのコンバージョン用素体と割り切るなら、お買い得と言えるだろう。ただしこの時期MGBの日本への正規輸入は途絶えており、日本に現存する個体数は極めてわずかである。なおこのモデルからMGB/GTは輸出市場から撤退している。
 
Mk.3 UB2 Tourer&GT (URETHANE BUMPER LATER) (Rubber Bumper later)
トゥアラー(G−HN5):109379台
GT(G−HD5) : 21134台
 前期型の運動性能の劣化を補い商品力を向上させるために大掛かりな改造を行った、事実上のMGB最終モデル。1978年春より日本レイランドによって正規輸入が再開されたため、日本での生存個体数の最も多いモデルでもある。改造範囲はフロント・スタビライザーの強化/リア・スタビライザーの装着(MGB初)/ラジエターの前進&電動冷却ファンの装着(GT V8流用)/新規内装デザインなどである。
 現存している個体でウレタンバンパーが装着されたままのものは年々減少しており、メッキグリル・コンバージョンを受けたものが増えている。またキャブレターも標準のゼニスから変更されているものも多い。趣味性という点からはメッキバンパー・モデルには劣るものの、正規輸入された台数が約1300台と多く現存しているものも多いので、ある程度ものを選べるという利点がある。MGB最初の1台としては最適と言えるだろう。
1976〜1980
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by MG PATIO <えむじい亭>マスターCorkey.O
(MGB V8conv. called "Bee-3",Yotsukaido-CHIBA)
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