東京近郊で、MGB mk-1にお乗りの、TROLLさん(仮名)から頂いた、「トラブルカルテ」です。トラブル歴はかなり長い?


MGB MK-1「トラブルカルテ」01

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Contents

Percolation(パーコレーション)
ヘッドライトロービーム未点灯。
ストップライト未点灯
燃料タンクからのガソリン漏れ
ヒーターの故障
ディストリビューターのポイント磨耗

右写真:MG-DAYにて。患者本人です。
1964、RHD


No.1:Percolation(パーコレーション)

症状:走っていると突然エンジンが不整脈を起こし、場合によってはストールする。
原因:キャブレターのフロート室のガソリンがエンジンルームの温度が異常に上がるなどの原因で沸騰し、吸気マニホールドに流出して混合気が濃くなる現象。逆に薄くなる場合もある。

対策:
1)エキゾーストマニホールドからマフラーにかけてクールイットという断熱テープを巻いた。
2)電動ファンの装着。

    補足:実際走っているときは「何かアクセルのつきが悪いなあ」という程度だが、信号待ちなどアイドリング状態の時は吹かしていないと止まってしまう。ボンネットを空けるとフューエルフィルター内のガソリンが沸騰しているのが見える。「今日は暑いな」と言う日はまずボンネットを開けてフューエルフィルターをチェックすること。なってしまったときはエンジンルーム内が冷えるのを待つしかない。

     予防として、対策の1)&2)があるが完全ではない。(MK-1にはエンジン直結のプロペラはあるが電動ファンは無い)現在、両対策を施すことによりパーコレーションは発生していない。しかし、真夏日にボンネットを開けると、まだエンジンを掛けてもいないのにフューエルフィルター内のガソリンが沸騰していたりする。


No.2:ヘッドライトロービーム未点灯。

症状:ロービームライトが点かない。
原因:ロービーム用リレーの寿命
対策:ロービーム用リレーの交換

    補足:MK-1にはライト用のリレーは無い。多分、前オーナーが付けたものであろう。ハイビーム用にもリレーがあるが、今のところ大丈夫なようだ。

No.3:ストップライト未点灯

症状:ストップライトが付かない。
原因:別物ストップライトスイッチの使用。

対策:新品のストップライトスイッチに交換(&ブレーキサーボ除去)

    補足:MK-1のストップライトスイッチは油圧式スイッチで微調を行うことが出来ない。だから,ブレーキペダルの踏み込み量でスイッチが入る位置を変えられない。
    しかし,まあ大概は問題無い。とあるショップでこのスイッチを交換した。が,後日,後ろを走っていた友人が「止まるときブレーキを踏まないの?」と変なことを言うので見たところ,思いっきり踏み込んでやっとライトが点いた。別なショップに行って,調べたところどうも別の車用らしい。交換したが点かない。
    原因は交換の際,オイルを結構抜いたことによる。普通なら問題無いはずだが,この車にはオリジナルに無い,しかも得体のしれないブレーキサーボが付いていて,更に悪いことにこのサーボの付け方がどうもおかしいようで,一度オイルを抜くと空気抜きがうまく行かないのである。もっとも,このサーボを付けようとするとスペースの関係でこうなってしまうのだが…。そこで,サーボを外し,スイッチを交換。その結果,軽く踏み込んでもストップライトが点くようになった。
    (後日、MG−DAYにて、他のMK-1オーナーから自分の車にも得体の知れないサーボが付いていたとの話を聞いた。日英自動車による輸入車は皆そうなのか?)

No.4:燃料タンクからのガソリン漏れ

症状:燃料を計るためのTankUnitを燃料タンクに固定するためのネジから漏れる。
原因:固定ネジがタンク内まで入り込んでいるため、ネジの溝を伝って漏れてくる。

対策:ネジにシールテープを巻き、締める。(その後、シールテープでも漏れが出ることが判明。現在、漏れの原因となるネジとTankUnit周りをエポキシで固めた結果、1月経った今も漏れは無い。)

    補足:MK-1特有のものであり、66年式以降のものは対策済み。タンク形状及びTankUnitの固定法が変更されている。但し、Mk-1には使用不可。気温が下がると症状が出やすい。Smiths(スミス)製の方がJaeger(イエーガー)製に比べ比較的漏れ難い。Mk-1はSmithsかJaegerがオリジナル。

No.5:ヒーターの故障

症状:ヒーターからの風が最大にしてもほとんど無い。(風量切り替えスイッチ)を回しても風量に変化が無い。(吹き出し場所変更スイッチ)を回しても変化が無い。
原因:ヒーターアッセンブリーの破損、及び小型ヒーターモーターの装着。

対策:ヒーターアッセンブリの修理とヒーターモーターの交換を行った。
補足:1)ヒーターアッセンブリ内の吹き出し場所切り替え用の羽の破損
   2)風量調整用ワイヤの留め具の破損。
   3)ヒーターモーターは純正でない得体の知れないものが付いていた.
   4)小型で,明らかにパワー不足。そよ風しかこない。

     ヒーターアッセンブリの新品(ヒーターモーターは別)は6万円ほどで,ちょっとお金が出せなかった。結果的に,ヒーターの効きが格段に向上し,暑いくらい。また,ちょっとした雨でも車の窓という窓が曇っていた現象が,ヒーターを掛けることにより大雨の中でも運転側の窓が曇るというおまけはあるものの全く曇らなくなった。運転側の曇りは少しであり,すぐに拭けるので問題なし。幌後部の窓も曇らないのが不思議。しかし,これほどの効果があるとはうれしい誤算?であった。
     ヒーターアッセンブリはボディーの中で一番錆びやすいところ。今回,外したところ,錆びだらけで,砂と錆が混じった物が堆積していた。また,誰が入れたか5cm位の石が3個ほど入っていた。ヒーターアッセンブリはいずれ新品に交換する予定。

No.6:ディストリビューターのポイント磨耗

症状:アイドリング低下。そしてエンジンストール。
原因:ディストリビューターのポイント磨耗により接触不良を起こし,一つのエンジンへの発火が行われず3気筒で走行。その結果アイドリングが500rpmまで低下し,エンジンストールに至った。

対策:ポイント,コンデンサーの交換。

    補足:走行途中にアイドリングが低下。ふかしながら走っていたが,信号待ちでエンジンストールした。2車線の内側だったためかなり焦ったが,前を走っていた同行の主治医が後ろの車の異常(エンジンを何度も掛けたり,ふかしていた)に気づき,近くのマクドナルドでポイントの調整をして貰い,事なきを得た。

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